「Device Backend by Kii」 のご紹介とIoT時代のBaaSについて


このサイトでもこれまで、Backend as a Service (BaaS)を使った記事を幾つかエントリーしてきましたが、大日本印刷の2月のニュースリリースでも発表した、「Device Backend by Kii」についてご紹介と、BaaS業界の動向について触れたいと思います。

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Device Backend by Kii について

ニュースリリースの通り、簡単に言えば、BaaSベンダーであるKii社の「Kii Cloud」を、パブリッククラウドとしてでなく、DNPのデータセンターにて、いわゆるオンプレミスとして同様のサービスを行うものです。

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ただし、パブリッククラウドのKii Cloudは開発者登録をすれば誰でも利用することが可能ですが、「Device Backend by Kii」は、弊社の得意先や社内案件で利用することを想定しています。

「Device Backend by Kii」を利用したアプリの例

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オンプレミスサービスに至る背景

BaaS、とても便利ですよね。我々のチームは、FlashやSilverlightのRIA由来で、フロントエンドに特化したエンジニアリングをずっと行ってきました。昨今はご多分にもれずiOS、Android、Windows Store等のアプリ開発とHTML5+JSによるSPA(Single Page Application)をやっている訳ですが、フロントエンド専業エンジニアからするとバックエンド(=インフラ+サーバーアプリケーション)を準備するのは超面倒ですし、プロトタイプはともかくサービスに耐えうるシステム作りはやっぱりバックエンド専業エンジニアが必要です。

ただ得意先案件であれ社内案件であれ、アプリ向けサービス開発もリーンにやらななくてはいけないご時世なのと、バックエンドのエンジニアも潤沢にいるわけではないので、BaaSはその機能に収まる範囲で使う分には素晴らしいソリューションだと思います。

そんな便利なBaaSをフロントエンドエンジニアとしては積極的に使っていきたいところですが、情報セキュリティに関しては言うまでもなく厳しくなる一方です。セキュリティリスクが会社や事業に対して大きなインパクトを与える事例が増えていますから当然です。

BaaSを利用する上で、セキュリティの観点からは一番課題になるのが開発者ポータルの扱いだと思います。多くのBaaSベンダーのサービスでは開発者ポータルが用意されていますが、そこでユーザー名とパスワードのみで簡単にどこからでも個人情報が入手できてしまうアーキテクチャだと、なかなかエンタープライズ用途や機微な情報を扱う案件で適用しにくい事情があります(そこがBaaSのいいところでもあるのですが)。
また、StackMobがPayPalに買収されサービス停止になったように、BaaSの業界はM&Aや提携が盛んなので、「もうやめます」になったときに、他のサービスへの移行は得意先が利用していたりすると大変になります。

そこで、弊社のデータセンターにBaaSシステムを導入し、セキュリティを考慮したシステムと運用ができる様にしたのが本サービス「Device Backend by Kii」です。

Kii Cloudについて

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Kii Cloudはユーザ管理やデータ管理などのBaaSとしての主要な機能はもとより、サーバーコード(Server Code)データ分析A/Bテストの機能があり、また他のBaaSベンダーに先駆けていち早くIoT向けの機能をリリースしているユニークなBaaSです。
また弊社では、「Device Backend by Kii」に合わせて、コンテンツ配信やiBeaconなどの特定機能の実装をさらに早く効率的にするためのライブラリを開発したりしています(そのご紹介はまたいつか)。

たくさんあるBaaSベンダーとその特徴

自社サービスとしてBaaSを提供するにあたり、BaaSはもちろんいろいろ調べました(Webだけでなく、アメリカ横断BaaSベンダーの旅をしたり…)。一口にBaaSといっても、Amazon Web ServicesやAzureで同じような機能を提供していたり、オンプレミスではMEAPというカテゴリもありますが、改めて幾つかメジャーなBaaSをご紹介したいと思います。

Parse

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言わずと知れた最もメジャーなBaaSです。本Blogでも幾つかエントリーがある通り、弊社も利用しています。SDKや開発者ポータルが洗練されています。
さきごろ行われたFacebookのイベントF8に合わせて新機能が紹介されましたが、やっぱり注目すべきはIoTですね。

Kinvey

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西海岸系のParseに比べて、東海岸系のKinveyですね。特に早い段階からエンタープライズ市場のBaaSにフォーカスし、他のエンタープライズシステムとのインテグレーションが特徴です。日本だとACCESSが代理店です。

Buddy Platform
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世の中のBaaSがOpen Source系のアーキテクチャ+AWSで組まれていることが多いのに対し、おそらくWindows系のアーキテクチャによるBaaS。(会社の場所もシアトル)やはりIoTやM2M系への対応やデータビジュアライゼーションに力を入れている印象です。日本でのコンタクト先としてソラウド株式会社があります。

CloudMine

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BaaSの中でJavaScriptをServer Codeとしてデプロイできるサービスは多いのですが、CloudMineはJavaによるデプロイが可能です。

Appiaries

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日本発BaaSとして老舗で、弊社も利用している案件があります。開発者ポータルがCMSのようなので、日本のクライアント企業には操作しやすい感じです(ところどころにキャラクターが出没しますし)。

NIFTY Cloud mobile backend

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クラウドサービスを大々的にやっているNiftyなので、IaaS、PaaSときたら、もちろんBaaSもあります。BaaSとしての機能もさることながら、料金がやはり魅力的なのと、いろんなサポートがあるのが(クライアントアプリの開発まで!)特徴だと思います。

ウェアラブル、IoTに欠かせないBaaS

2015年になってから急にIoTがメディアやIT業界だけでなく、産業全体で話題になっています。
IoTやM2M向けのバックエンドシステムとしては、通信系やハードウェア系から出ているものもあるようですが、クラウドやWebサービス系からのアプローチの一つがBaaSだと思います。

小さいモノ(主に通信機能を持ったセンサーデバイス)がインターネットを介して無尽蔵につながっていく中で、いちいちWeb APIやデータベースを作るのは、モバイルアプリ向けのバックエンド開発と同様に手間とコストがかかりますし、IoTデバイスの多くが、スマートフォン、モバイルアプリと連携するものが大半になっていくと思います。そこでBaaSは、ユーザ、アプリ、デバイス、データを連携させるのにうってつけだと思います。

ということで、今後はアプリ開発だけでなく、流行りに乗ってハードウェアプロダクトに取り組んで、積極的にBaaSを活用していきたいと思います。また「Device Backend by Kii」にご関心がございましたら、こちらからお問い合わせ下さい。